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治療のリスク

一般不妊治療

治療のリスク・副作用について

タイミング療法および人工授精などの治療のリスク・副作用については以下のようなものがあげられます。
多胎妊娠

卵巣刺激を行うタイミング療法や人工授精では複数の卵胞を発育させるため、多胎妊娠の確率は増えてしまいます。
多胎妊娠によるリスクとして、胎児数が増加するにしたがって、母体には、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)や切迫早産、胎児にとっては早産、低出生体重による22週以降の周産期死亡の危険性などが考えられます。

こうした多胎妊娠の危険性を考え、卵巣刺激中は、定期的に診察を行い超音波で卵胞の個数と大きさを測定し、刺激する排卵誘発剤の投与量を決定します。
なお、多胎妊娠のリスクを回避するため、16mm以上の卵胞が4つ以上、確認されたときは治療中止となります。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS:Ovarian Hyper Stimulation Syndrome)

卵巣刺激の薬剤に、卵巣が過剰に反応し、卵巣が腫れたり、腹水や胸水がたまることがあります。これを卵巣過剰刺激症候群(OHSS)といいます。
軽症の場合は、経過観察と投薬治療で卵巣の腫れがおさまるのを待ちますが、症状が重い場合には、入院が可能な病院での治療が必要になる場合もあります。

「お腹の張り」や「下腹部の引きつれ(ウエストがきつくなった)」、「尿量の減少」、「息苦しい」などの症状がある場合には、医師またはスタッフに直ちにご相談ください。
また、卵巣過剰刺激症候群の合併症として、まれに静脈血栓症を起こすことがあります。これは、腹水により血液が濃縮したり、投薬治療中はベッド上で安静になることにより、血液の停滞が起こりやすくなるためと考えられます。そのため、治療中は、血液検査と抗凝固剤の注射を適宜行います。
異所性妊娠(子宮外妊娠)

異所性妊娠(子宮外妊娠)とは、通常着床する子宮以外の場所に受精卵が着床してしまうことです。着床する場所により「卵管妊娠」、「卵巣妊娠」、「腹腔(腹膜)妊娠」などがありますが、その多くは「卵管妊娠」です。自然妊娠でも1%前後の確率で起こるといわれていますが、不妊治療においてはその確率は高くなります。理由として、治療を受ける人に卵管の状態が悪い人が多く、受精卵が卵管に着床し、排卵誘発により複数の受精卵があることで、一部が子宮まで到達しない場合や、到達しても卵管内に押しやられる可能性がある為と考えられています。

卵管に着床したままの受精卵が成長を続けると、卵管が破裂して母体の生命が危険になります。そのため、卵管の妊娠組織を切除したり、卵管そのものを切除したりする手術が早急に必要になります(当院では手術が可能な他施設に直ちにご紹介いたします)。

症状は、初期では通常の妊娠と変わらず判断がつきにくいことが特徴です。当院では妊娠判定が陽性(+)の場合、定期的に超音波検査を行い十分な管理を行っておりますが、出血や腹痛など少しでも異常を感じましたら直ちに受診してください。超音波検査で子宮や卵巣の状態を確認します。
また、判定日当日の妊娠判定が陰性(-)でも、ごくまれに異所性妊娠(子宮外妊娠)ということがあります。不正な出血や、腹痛、基礎体温が下がらないなど、異常を感じた場合は、直ちに受診してください。
感染

まれに子宮付属器炎や骨盤腹膜炎などを起こす可能性がありますので、人工授精後に処方される抗生物質を必ず服用してください。
発熱や強い腹痛など異常を感じた場合は、直ちにご相談ください。
薬剤(注射・内服薬・外用薬など)使用による副作用とその他のリスクについて

その他、ホルモン剤や各種薬剤使用による、「頭痛」や「吐き気」、「発疹」などの過敏症状、注射や外用薬使用部位の「発赤」や「かゆみ」などの副作用、「血栓症」などの合併症が考えられます。そのため、ホルモン剤や各種薬剤の使用状況によっては、血液検査を適宜させていただくことがあります。
また、治療をくり返すことにより、身体に何らかの影響が生じる可能性があります。

体外受精・顕微授精

治療のリスク・副作用について

体外受精‐胚移植法および顕微授精-胚移植法にあたっての治療のリスク・副作用については以下のようなものがあげられます。
多胎妊娠*

体外受精-胚移植法(顕微授精-胚移植法を含む)では最大で2個の胚が移植されるので、多胎妊娠の確率は増えてしまいます。
多胎妊娠によるリスクとして、胎児数が増加するにしたがって、母体には妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)や切迫早産、胎児にとっては早産、低出生体重による22週以降の周産期死亡の危険性などが考えられます。

こうした多胎妊娠の危険性を考え、移植の個数を日本産科婦人科学会では、「原則1個とし、35歳以上または2回以上続けて妊娠できなかった女性には2個戻すことも許容する」としています。世界初の体外受精児が誕生したイギリスでは、ヒト受精及び胚研究法(HFE法)に基づき、移植の個数は2004年以降、2個以内としているほか、2007年7月以降は、40歳以下は1個以下に制限されるなど、世界的にみても、多胎妊娠の危険性を考慮して移植の個数を制限する流れにあります。

当院では多数の胚が得られた場合は、国内のガイドラインに沿って、患者様とご相談の上、最適な個数を移植しております。なお、余剰胚がある場合は、凍結保存となります。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS:Ovarian Hyper Stimulation Syndrome)

卵巣刺激の薬剤に、卵巣が過剰に反応し、卵巣が腫れたり、腹水や胸水がたまることがあります。これを卵巣過剰刺激症候群(OHSS)といいます。
軽症の場合は、経過観察と投薬治療で卵巣の腫れがおさまるのを待ちますが、症状が重い場合には、入院が可能な病院での治療が必要になる場合もあります。

「お腹の張り」や「下腹部の引きつれ(ウエストがきつくなった)」、「尿量の減少」、「息苦しい」などの症状がある場合には、医師またはスタッフに直ちにご相談ください。
また、卵巣過剰刺激症候群の合併症として、まれに静脈血栓症を起こすことがあります。これは、腹水により血液が濃縮したり、投薬治療中はベッド上で安静になることにより、血液の停滞が起こりやすくなるためと考えられます。そのため、治療中は、血液検査と抗凝固剤の注射を適宜行います。
異所性妊娠(子宮外妊娠)*

異所性妊娠(子宮外妊娠)とは、通常着床する子宮以外の場所に受精卵が着床してしまうことです。着床する場所により「卵管妊娠」、「卵巣妊娠」、「腹腔(腹膜)妊娠」などがありますが、その多くは「卵管妊娠」です。自然妊娠でも1%前後の確率で起こるといわれていますが、不妊治療においてはその確率は高くなります。理由として、治療を受ける人に卵管の状態が悪い人が多く、受精卵が卵管に着床し、排卵誘発により複数の受精卵があることで、一部が子宮まで到達しない場合や、到達しても卵管内に押しやられる可能性がある為と考えられています。

卵管に着床したままの受精卵が成長を続けると、卵管が破裂して母体の生命が危険になります。そのため、卵管の妊娠組織を切除したり、卵管そのものを切除したりする手術が早急に必要になります(当院では手術が可能な他施設に直ちにご紹介いたします)。

症状は、初期では通常の妊娠と変わらず判断がつきにくいことが特徴です。当院では妊娠判定が陽性(+)の場合、定期的に超音波検査を行い十分な管理を行っておりますが、出血や腹痛など少しでも異常を感じましたら直ちに受診してください。超音波検査で子宮や卵巣の状態を確認します。
また、判定日当日の妊娠判定が陰性(-)でも、ごくまれに異所性妊娠(子宮外妊娠)ということがあります。不正な出血や、腹痛、基礎体温が下がらないなど、異常を感じた場合は、直ちに受診してください。
採卵による腹腔内出血など

採卵で卵巣に針を刺す際に、卵巣出血や、誤って卵巣周辺の大血管に針を刺してしまうことなどにより、腹腔内出血を生じる可能性があります。ほとんどの場合これらの出血は自然に止まりますが、まれに多量出血に至ることがあります。多量出血の場合、緊急に開腹手術を行う場合もあります(ただし当院ではそのような例は今のところありません)。その他、膀胱損傷(膀胱内出血など)、膣壁出血、腸管損傷、膿瘍形成などの可能性もあります。
採卵や胚移植による感染*

まれに子宮付属器炎や骨盤腹膜炎などの感染症を起こす可能性があり、他施設にて継続的な通院治療、入院管理や手術が必要となる場合もあります。感染症予防のため、採卵後には内服薬を処方しますが、子宮内膜症を持つ方や採卵と同時に嚢腫穿刺、卵管水腫穿刺を行った場合などは、感染症を起こす可能性がやや高くなるため、「点滴」による抗生物質の投与も行います。また、以前の採卵で感染を起こしたことのある方も、同様の経過をたどる場合があるため、「点滴」の投与を行います。

感染症予防のため、処方される抗生物質は忘れず服用してください。また、発熱や強い腹痛など異常を感じたら直ちにご相談ください。
麻酔使用におけるリスク・副作用

薬剤(注射、内服薬、外用薬など)使用による副作用とその他のリスクについて*

その他、ホルモン剤や各種薬剤使用による、「頭痛」や「吐き気」、「発疹」などの過敏症状、注射や外用薬使用部位の「発赤」や「かゆみ」などの副作用、「血栓症」などの合併症が考えられます。そのため、ホルモン剤や各種薬剤の使用状況によっては、血液検査を適宜させていただくことがあります。
また、治療をくり返すことにより、身体に何らかの影響が生じる可能性があります。
精子凍結のリスクについて

凍結保存した精子を融解して治療を行った場合、出生した児の染色体異常発生率・奇形率などは、新鮮精子を用いて治療した場合と比べ、高くなるという報告はありません。また、凍結処理後に融解した精子の運動率は、一般的に元の運動率の50~80%程度に低下するといわれています。状態により使用できず廃棄になる場合もありますが、ほとんどの場合、再度回収選別して治療に用いることが可能です。

※(*)がついている項目は、「解凍胚移植」にも共通する治療のリスク・副作用です。
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