はじめに
子供が欲しいのに、なかなか妊娠しない。自分たちは正しい方法で夫婦生活をしていないのではないか、もう手遅れではないだろうか、夫婦のどちらかに問題があるのではないかと悩んでいませんか?
年齢についての疑問や最も妊娠しやすい時期などについて、医師に相談して適切なアドバイスを受けていているのに妊娠しない。
今、あなたは不妊症ではないかと心配していませんか?
悩んでいるのはみなさんだけではありません。6組中1組の夫婦が実は不妊の問題を抱えているといわれています。
その一方、完全な不妊症はかなりまれで、そのため最近では不妊(infertility)というより「受精能低下」(sub-fertilityまたはlow-fertility)のほうが適切な表現とする医師もいます。
また夫婦のどちらか一方だけに問題があることは、あまりありません。不妊の問題を抱えている場合、2人ともが生殖機能が正常より少し低下していることが多いのです。不妊治療を希望する際、夫婦揃ってカウンセリングや検査を受けていただくのは、このためです。
特に避妊をしているわけではなく、通常の夫婦生活を1年間営んでも妊娠しない場合「不妊」という言葉が使われます。(平成27年10月 日本産科婦人科学会資料より)しかし、これは1年間待たなければ治療を受けられないということではありません。年齢を重ねるごとに女性の受胎能は低下するので、治療を早く受けるほど妊娠の可能性は高くなります。
不妊の問題を前にしていたずらに悲観しないでください。妊娠の可能性を期待できる理由が十分にあることを知っておいてください。
年齢についての疑問や最も妊娠しやすい時期などについて、医師に相談して適切なアドバイスを受けていているのに妊娠しない。
今、あなたは不妊症ではないかと心配していませんか?
悩んでいるのはみなさんだけではありません。6組中1組の夫婦が実は不妊の問題を抱えているといわれています。
その一方、完全な不妊症はかなりまれで、そのため最近では不妊(infertility)というより「受精能低下」(sub-fertilityまたはlow-fertility)のほうが適切な表現とする医師もいます。
また夫婦のどちらか一方だけに問題があることは、あまりありません。不妊の問題を抱えている場合、2人ともが生殖機能が正常より少し低下していることが多いのです。不妊治療を希望する際、夫婦揃ってカウンセリングや検査を受けていただくのは、このためです。
特に避妊をしているわけではなく、通常の夫婦生活を1年間営んでも妊娠しない場合「不妊」という言葉が使われます。(平成27年10月 日本産科婦人科学会資料より)しかし、これは1年間待たなければ治療を受けられないということではありません。年齢を重ねるごとに女性の受胎能は低下するので、治療を早く受けるほど妊娠の可能性は高くなります。
不妊の問題を前にしていたずらに悲観しないでください。妊娠の可能性を期待できる理由が十分にあることを知っておいてください。
不妊治療を受ける方のために
何故私達に起こったのでしょうか?
実は、非常に多くの夫婦があなたたちとまったく同じことを経験しています。専門家は、子供が欲しいけれどもできない夫婦は6組に1組いると考えています。例えば、英国やフランス程度の人口規模の国では、約100万組の夫婦が子供を欲しいと思いながらその思いをかなえられずに暮らしていることになります。
少子化などの社会環境の変化もあって、最近の数十年間は子供がいない夫婦が非常に増えました。現在では、家族をもつことを先送りにすることはめずらしいことではありません。
少子化などの社会環境の変化もあって、最近の数十年間は子供がいない夫婦が非常に増えました。現在では、家族をもつことを先送りにすることはめずらしいことではありません。
1970年には女性の90%以上が30歳未満で最初の子供を出産しましたが、1990年には約25%が30歳を超えてからの出産です。ただ、残念ながら30歳から女性の受胎能は緩やかに低下し、30代半ばからその低下はより急激になることが明らかになっています。
妊娠しないのはなぜでしょうか?
妊娠しない原因は、さまざまです。ただし、不妊は女性の側だけに問題があるわけではありません。30-40%は女性側に原因があり同じく30-40%は男性側に原因があり、15-30%は女性と男性の両方に原因があると言われています。残りの5-10%は原因が特定できません。
つまり、男女とも不妊の原因がある確率は同じで、このため不妊問題の原因を調べて適切な治療をおこなっていくためには、夫婦一緒の協力が必要なのです。
つまり、男女とも不妊の原因がある確率は同じで、このため不妊問題の原因を調べて適切な治療をおこなっていくためには、夫婦一緒の協力が必要なのです。
妊娠できる可能性はどのくらいでしょうか?
妊娠は、とても複雑な過程をたどります。避妊せず適切な時期に夫婦生活を営んでいる妊娠しやすい夫婦でさえ、1回の月経周期で妊娠する確率は低く、20-30%にすぎません。
つまり、人が妊娠する確立は5周期に1回程度なのです。
すべて計画通りにいけば、不妊治療後の妊娠の確率もこのレベルになるはずです。
しかし、どんなに進んだ現代医学でも、自然の妊娠率より高い確率を得ることは有りえません。ですから、不妊治療を開始したあとも妊娠するまでには何回かの月経周期が必要になるかもしれないことを理解しておいてください。
つまり、人が妊娠する確立は5周期に1回程度なのです。
すべて計画通りにいけば、不妊治療後の妊娠の確率もこのレベルになるはずです。
しかし、どんなに進んだ現代医学でも、自然の妊娠率より高い確率を得ることは有りえません。ですから、不妊治療を開始したあとも妊娠するまでには何回かの月経周期が必要になるかもしれないことを理解しておいてください。
もちろん、不妊治療の成績は、その原因の程度や女性の年齢にも左右されます。治療可能なホルモン障害の場合は、男性の受精能力に問題がなければ、治療開始から4周期以内に約70%の夫婦が妊娠しています。
体外受精(体外で精子と卵子を受精させる高度生殖医療)が必要な場合は、卵管の閉塞や男性側に重大な不妊の問題がある場合に必要となります。この場合、治療開始から4周期以内の妊娠の可能性は約50-60%です。
つまり、もし可能な治療をすべて行なうとすれば、妊娠の可能性を医師に相談した夫婦の約3/4は、自分の子供を妊娠できることを知っておいてください。
問題を解決するために何ができるのでしょうか?
治療は、基本的に不妊の原因によって決まります。原因が詳しくわかれば、より明確な治療ができ、成功の確率も高くなります。例えば、甲状腺機能が高すぎる場合や男性ホルモン(アンドロゲン)が過剰な場合、不適切だったホルモンレベルを適正にするだけで十分なこともあります。
成熟した卵子(卵母細胞)を作るために必要なホルモンが女性の体内で十分に作られていない場合、比較的簡単なホルモン刺激療法が行われます。その後、受精は自然にまかせます。
もし、男性の精子の量が少なく運動性が弱い場合は、ホルモン療法と人工授精(AIH)の併用を行なうことがあります。この場合、排卵のころに細い管で精子を子宮に直接送ります。
卵管が閉塞していて手術でも開通しなかった場合、あるいは卵管が完全に欠如している場合は、体外受精(IVF)が必要です。ホルモン療法に加え、成熟した卵子を得るための簡単な手術(普通は入院ではなく、外来で行います)が必要となります。
成熟した卵子(卵母細胞)を作るために必要なホルモンが女性の体内で十分に作られていない場合、比較的簡単なホルモン刺激療法が行われます。その後、受精は自然にまかせます。
もし、男性の精子の量が少なく運動性が弱い場合は、ホルモン療法と人工授精(AIH)の併用を行なうことがあります。この場合、排卵のころに細い管で精子を子宮に直接送ります。
卵管が閉塞していて手術でも開通しなかった場合、あるいは卵管が完全に欠如している場合は、体外受精(IVF)が必要です。ホルモン療法に加え、成熟した卵子を得るための簡単な手術(普通は入院ではなく、外来で行います)が必要となります。
男性側に重大な不妊の問題がある場合には、非常に細い針を使って1つの精子を直接卵子に注入することもできます(卵細胞質内精子注入法:ICSI)。精液(射精によって排出された精液)にまったく精子がいない場合は、精巣から直接精子を取る事も可能なケースがあります。
妊娠に成功するには、どうしたらいいでしょうか?
必要な検査を一通り行い、「あなた方夫婦の原因はなにか」ということと「今後の治療方針」について医師から十分な説明を受けてください。検査を受けず、不妊の原因を確かめないで、むやみに治療しても意味がありません。
不妊の人が妊娠することは、普通の病気の治療よりも難しいものです。しかも妊娠できる機会は正常の人でも年12回しかありません。ですから、治療を始めてもすぐに妊娠することはむしろ少なく、妊娠に成功するためには、普通半年から2年位かかります。この間、根気強く治療を続けることが必要となります。
不妊治療には、二人の努力が勿論大切ですが、同時に家人の理解と協力が必要です。
実際治療はどのようにおこなうの?
まず検査によって、医療の介入がないと明らかに妊娠できない異常を見つけられた場合は、その治療をおこないます。例えば、女性の両側卵管閉鎖や男性の無精子症などがこれにあたります。この場合、両側卵管閉鎖であれば、*卵管の手術や体外受精など、男性の無精子症の場合、精巣内の精子を採取した顕微授精など、治療方針が明確に決定できます。
一方、原因になりそうな異常はみつけられても、必ずしも、それだけが原因とは断定できない、(あるいは、異常がみつけられない)場合、主な原因として考えられるものに対して治療を行い、その上で、これまでの治療歴なども考慮して、「ステップアップ治療」をおこないます。不妊治療はこのケースの方が圧倒的に多く、例えば、女性の排卵がおこりにくい場合には排卵誘発剤を使用し、男性の精子の少ない人には漢方薬などの投薬治療を行いながら、ステップアップ治療を行います。
※当院では卵管閉鎖についての手術は行っておりません。手術が必要な患者様にはマイクロサージェリー手術または腹腔鏡下FTカテーテルの治療が可能な施設にご紹介しております。
「ステップアップ治療」とは・・
ステップアップ治療とは、不妊治療で一般的に行われる治療方法で、より自然の妊娠に近い治療方法からスタートして、数回繰り返しても妊娠しなければ、より医療の介入度の高い、高度な治療へと移行していく治療方法のことです。
具体的には、排卵日を正確に把握しその日に夫婦生活を行なう「タイミング法」からスタートして、次に精子を子宮内に注入する「人工授精」さらに、卵巣から卵子をとりだして、体外で精子と受精させ、受精卵を子宮に戻す「体外受精」または顕微鏡下で受精させる「顕微授精」へとステップアップしていきます。
同じ治療をどの程度繰り返すかは、年齢やこれまでの治療歴等によって変わってきます。
医師とご相談の上、ご夫婦で納得の上、治療を進めてください。