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IFFS2025/JSRM70に参加しました
2025-05-15
カテゴリ:スタッフブログ
こんにちは、院長の関です。

2025年4月26日から29日まで東京国際フォーラムで開催され たIFFS2025とJSRM70(第70回日本生殖医学会学術講演会)に参加しました。この学会には3,000人以上の参加者が集まり、知識や経験を共有し、ネットワーキングを行いました。学会の内容は非常に充実しており、多くの有益な情報を得ることができました。

発表した演題
セキールレディースクリニックはこの学会で5題の演題を発表しました。それぞれの演題について簡単に紹介します。

演題1: Rekovelle Stimulation Protocol: Advocating for Fresh Embryo Transfer as the Preferred
この演題では、レコベル刺激法を使用した新鮮胚移植が凍結胚移植に比して、妊娠率が高く、産科合併症が少なくなるという優位性があること発表しました。

演題2: The Importance of Natural Cycle Oocyte Retrieval Methods in PGT Testing for Older Patients
この演題では、自然周期採卵の方がその他の刺激方法よりも採卵個数あたり、PGT検査に提出できる割合が高かった。特に年齢の高い患者に対しては刺激周期と刺激周期の間に自然周期採卵を積極的に施行することがPGT検査に提出可能な胚盤胞に到達する胚の増加につながり、妊娠までの期間を短縮する上で重要である事を発表しました。

演題3: Is ERA Testing Necessary in ART Practice?
この演題では、反復着床障害の不妊患者に対し、ERA検査により着床のウィンドウ(WOI:Window of Implantation)を調べ移植時期を調整する事により、検査の結果とその後の妊娠率の変化、および患者年齢の影響を明らかにする事を目的としました。
ERA検査は、40歳未満ではWOIが広いため、その実施意義が低い可能性があるが、40歳以上ではWOIが狭いため施行意義が高く、妊娠率の上昇に寄与すると考えられます。
多くの参加者が興味を持ち、意見交換が行われました。

演題4: Higher Pregnancy Rate Achieved by Combining Gardner Classification and iDAScore in Blastocyst Transfer
この演題では、Gardner分類とiDAScore(胚盤胞の客観的評価スコア)は、体外受精(IVF)において胚盤胞を選択する際の重要な指標とされている。それぞれの評価方法には異なる観点がある。そこで胚盤胞移植胚の優先順位を決定するのに、Gardner分類とiDAScoreをどの様に併用したら高い妊娠率が得られるかを検討しました。

演題5: A Case of a 50-Year-Old Pregnant Woman Who Experienced Peripartum Cardiomyopathy After Delivering Her First Child at Age 45 and Subsequently Delivered Her Second Child from Frozen Embryos at Age 44
この演題では、45歳にて第1子出産後に周産期心筋症を経験し、その後、44歳採卵時の凍結胚にて第2子を出産、現在さらに第3子妊娠中の50歳妊婦の1例を発表しました。

学会の感想
IFFS2025/JSRM70学会は非常に有意義なものでした。多くの専門家と交流し、最新の研究成果を共有することができました。また、学会のオンデマンド視聴が5月20日から7月10日まで可能であり、新たな登録も受け付けています。これにより、学会に参加できなかった方々も貴重な情報を得ることができます。

IFFS2025/JSRM70の主なトピックの概要です。
1. テーマ
・多様性、持続可能性、回復力:生殖医学におけるこれらの価値が未来の医療を導く指針として強調されました。

2. 主要な議題
・生殖医療の最新技術:新しい技術や研究成果が紹介され、特に患者の視点からの研究が注目されました。
・環境への配慮:生殖医療の発展に伴う環境への影響を最小限に抑えるための持続可能なアプローチが議論されました 。
・多様性の認識:異なる背景やニーズを持つ患者に対する高品質な医療提供の重要性が強調されました 。

3. 特別講演とセッション
・国際的な専門家による講演:日本国内外の著名な専門家が講演を行い、最新の研究成果や技術について共有しました 。
・ポスター発表と賞:参加者によるポスター発表が行われ、優れた研究には賞が授与されました 。

4. ネットワーキングと交流
・参加者の交流:3,000人以上の参加者が集まり、知識や経験を共有し、ネットワーキングの機会が提供されました 。

この学会は、生殖医学の未来を築くための重要なステップとなりました。興味深いトピックが多く、セキールレディースクリニックの医師群にとって非常に有益な機会となりました。
セキールレディースクリニック
〒370-0841
群馬県高崎市栄町17−23
TEL:027-330-2200
・婦人科
・漢方外来
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