スタッフブログ
2018.07.16
エンブリオスコーププラスについて
こんにちは、初めまして!ラボ部門の鳥羽と申します。
普段はラボ内で業務をしているため、皆さんとお会いする機会がなかなか無いラボ部門ですが、このブログを通して交流ができれば嬉しいなと考えています。
さて、今回のこのブログでご紹介したいのは先月からラボに導入された最新の培養器、エンブリオスコーププラスについてです。
培養器内部にカメラがあり、10分に1回撮影を行うことで胚のタイムラプス動画を作成することが可能です。
最近のカメラアプリに機能が入っていてご存知の方もいるかもしれないですが、タイムラプスについて説明します。
タイムラプスとは、同じ場所で一定の間隔を空けて撮影した静止画をつなぎ合わせて、動画のような映像を作る手法、あるいはその手法で作られた映像のことを言います。
これによって24時間胚の観察をすることが可能になりました。観察したい過去の時間にも戻れる為、夜中に胚がどの様な分割をしていったか分かります。当然、得られる情報量が圧倒的に増えますし、通常の胚観察では分からなかった経時的な変化まで観察できることで、より良い胚の選択が可能になります。
また、胚を培養器の外に出す必要がないので、長期間安定した環境で培養でき胚へのストレスが軽減されます。
通常、胚は母体の中で成長していくものですが、体外受精を行うと体外で培養しなければなりません。そのため本来ならば触れることのない環境下で培養することが、胚へのストレスになります。母体と体外では様々な違いがありますが、中でも一番の違いは光が当たる事です。
普通の培養器ですと、胚の観察は培養器から出して撮影を最低で1日1回行います。短い時間で得られる情報は限定的ですし、何より培養器の外に出すことで環境変化のストレスが胚にかかってしまいます。しかし、観察しないことには受精しているかどうかや、正常胚なのかが判断できません。
この胚観察のジレンマを解消してくれるのが、最初にご紹介したエンブリオスコーププラスです。
実際のタイムラプス動画です。ご覧ください。
従来のエンブリオスコープはディッシュが入る枚数が6枚までだったのに対し、エンブリオスコーププラスは15枚のディッシュが入ります。今回、より多くの方に利用して頂ければとの思いからエンブリオスコーププラスが導入されました。
現時点で当院は、北関東で唯一のエンブリオスコーププラスが導入されているクリニックです。
是非使用してみたいという方は診察の際に医師にお尋ね下さい。
2018年7月16日 11:59 AM | カテゴリー: スタッフブログ